SRV 伝説のギタリスト
ロックの天使にキスをされ、恋をしてしまったわたし。
おもに60年代から現在まで聴かなければならないアルバムが山ほどあって、アーチスト名やタイトルだけは知っていても未聴というアルバムもたくさんあったりして、これから10年位は掛かるのではないかと考えたりしてるのです。気が遠くなりそうです。

この超有名なアルバムを取り上げるのは、諸先輩の皆さまからすれば今更何だと意見されそうで恐いのですが、スティーヴィー・レイ・ヴォーン(SRV)、伝説のギタリストのデビュー・アルバムを始めて聴きました。以前から気に掛かっていたのですが、なかなか聴くチャンスが巡ってこなかったのです。

1dec2013-1.gif  Stevie Ray Vaughan 1954〜1990

古い時代のハリウッド・スターのようなブロマイド。
モテそうなナイス・ガイ。迷いのないすっきりした知性、澱みない感性、優しい目と意志の強さが眉と鼻筋にうかがえます。男らしい豪快さもあわせ持ってるようです。



Stevie Ray Vaughan and Double Trouble
“Texas Flood(ブルースの洪水)” 1983

1. Love Struck Baby
2. Pride and Joy
3. Texas Flood
4. Tell Me
5. Testify
6. Rude Mood
7. Mary Had a Little Lamb
8. Dirty Pool
9. I'm Cryin'
10. Lenny
( Bonus Tracks )
11. SRV Speaks
12. Tin Pan Alley (AKA Roughest Place in Town)
13. Testify [Live]
14. Mary Had a Little Lamb [Live]
15. Wham! [Live]

彼のサウンドは文句なくカッコいい。たった2日間のレコーディングですべてを終えたという。
ヘビーゲージを張ったストラトキャスターからしぼりだすアグレッシブな力強いトーン、情感に満ちたサスティン、肉体の一部と化した愛器からはチョーキングやビブラート、繊細でいながら荒々しく情熱的なドライブ感とサウンドの厚みはブルース・ロックの美しさを体現しています。ブルースをベースにしたインプロビゼーションは創造力を実現するスキル。才能と絶え間ない挑戦からもたらされたこのアルバムは昼も夜もギターとともに過ごした、ギターを弾くために生まれてきた天才の結晶です。

1曲目から虜となりました。エレクトリックの何と豊かな響きでしょう。ただ電気回路を通しただけなのに、一音一音が際立ちストラトに魂が宿っている。SRVと輝かしくアピールしているギターのキズの一つ一つまでもが渾然一体となって主人の思うがままに音を出している。ギターは彼の分身。寝ている間も夢のなかで弾いていたのだ。そうでなければこれほどまでインスピレーションに満ちたプレイを展開することはできなかっただろう。
ベースのTommy Shannon、ドラムスのChris Layton とのあうんの呼吸は3ピース・アンサンブルとして最高のものです。場数を踏んで得られた同志のような結束でしょう。またライブで鍛えられたスティーヴィーのヴォーカルも抑制が効き、派手さはないけれど鐘と祈りのアンジェラス<Angelus>のようにブルースにフィットしたもの。この完璧さはロバート・ジョンソンと同じように悪魔に魂を売り渡したことのサジェスチョン(暗示)なのだろうか?そんな非現実的な疑いさえよぎるのです。
とにかくすべてが素晴らしい!

塗装が剥げ落ち汗がしみ込んだ彼のギターはブルースと格闘した人生そのものに見える。
35才という若さで旅立ったテキサス・カウボーイはギターとともに伝説となったのです

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Levon Helm 源流にたどりついた旅人
いつの日かアメリカ南部を旅したいと思う。
ミシシッピ・デルタからシカゴまで。
母なる大河と平原、ロッキーの山並み。カントリーな世界は果てしない郷愁を誘う。

カウボーイ・ハットとロング・ブーツ、長い髪にジーンズ。わたしの準備はもうできているわ。
ブルースの生まれ故郷に行きたいの。
旅人となって南部の風を感じたい。麗しい空を見たい。
そんな願いもいつかは叶えられるだろう。きっと叶えられるだろう。

旅人よ!
たゆまず真理を求め
山を越え河をさかのぼり
諸州を旅する者よ

流浪の民に
道に迷いし愚か者のために
北斗七星の輝きのように
荒野に立つ風雪に耐えた一本の老木のように
動じない巨岩のように
故郷を思い出させる大河ミシシッピのように
父のように寛容で
母のように豊かに
希望の言葉を分け与える人よ

旅人よ!
孤高の人よ
切り立ったロッキーの峰々を支配し
天を栖とする大鷲のように
風に乗って舞い上がり
眼光鋭く
地上のすべての動きを知り尽くし
生と死の瞬間を見定め
時を超越した者よ

臆病者の俺の話を聞いてくれ
旅してきた証を聴いてくれ
このしわがれた声で歌うから
長い旅を続けて 巡り巡って
また懐かしい故郷に帰ってきた
もう老いぼれになっちまったが
優しい娘が一人助けてくれる
昔の仲間が出迎えてくれた
俺はここでまた畑を耕して暮らす
太陽と山と風といっしょに

旅人よ!
斧を振りおろすように
運命を断罪する勇気ある者よ
俺の話を聞いてくれ!
そしてもう少し天国の
俺の住処に行くのを待ってくれ

<神もわたしも旅人。人間は誰もが旅人。
たとえ帰る家があってもそこは今世の仮住い>Komine Haruka

Levon Helm,
His 2007 comeback album “Dirt Farmer” earned the Grammy Award for Best Traditional Folk Album in February 2008.




トラディショナルな曲を中心にアコースティックな世界が広がる。
レヴォンのかすれた声は深みを感じさせ、なんとも言えない味わいがある。年を重ね経験を積んだ者だけが獲得することができるアメリカの伝統をふまえた独自の境地です。緩やかな時の流れは働くことの喜び、家族の愛・優しさ・親しみ、人生のありようを、そして生きることの価値を十分に表現しているように思えます。アメリカでもレヴォンのようなアーチストは少なくなったのではないだろうか?
このアルバムは録音も良く、何度も繰り返して聴いて、ただ堪能するだけ。

“ラスト・ワルツ”は76年の一大イベントでありました。ファイナル・コンサートには多くのロック・スターをゲストに迎え、充実したザ・バンドのプレーを聴かせてくれる。なぜ、これほどのグループが解散しなければならなかったのだろうか?
70年代半ばからパンクの嵐が吹き荒れる。繚乱と花開いたロックのロマンチシズムは果実のように熟し、大胆な進化を遂げて沸点を迎えていたのです。時代の空気はアーチストに鋭く反映し、革新と停滞のアンビヴァレントな感情はやがてロックの未来に影を落とすのでした。76年のザ・バンドの解散はそういう意味で象徴的な事件だったのかもしれません。

その後再結成されたけれども、かつての勢いは生まれなかった。
ザ・バンドの栄光から30年。夢を追っても叶えられなかったのです。
レヴォンも喉頭がんに罹り、再起が危ぶまれました。
でもここに忘れられない1枚のアルバムを届けてくれたのです。
アメリカ大陸の奥深いルーツと豊かな大地の香りをいっぱいに詰め込んだ素晴らしいアルバムを。

1. False Hearted Lover Blues
2. Poor Old Dirt Farmer
3. Mountain
4. Little Birds
5. Girl I Left Behind
6. Calvary
7. Anna Lee
8. Got Me a Woman
9. Train Robbery
10. Single Girl, Married Girl
11. Blind Child
12. Feelin' Good
13. Wide River to Cross

古いトラディショナルな曲にアコギ、マンドリン、フィドル、オルガン、ピアノ、アコーディオン。
シンプルなバンド構成。そしてザ・バンドの一員だったからこそ成し得た美しく豊穣な収穫だと思います



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Joni Mitchell
“River: The Joni Letters” 第50回グラミー最優秀アルバム賞受賞。
ハービー・ハンコックの代表作品になるでしょう。
ジャズマンとしても人間としても尊敬すべき偉大な人物ハービー。
人生をアクティブに生き抜く強き女性ジョニへのトリビュート・アルバム。

誰でも一度は豪華なオーケストラをバックに歌いたいと考えるに違いない。

“Travelogue” 2002


オーケストラとコーラス、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター等とともに、円熟したボーカルをプレゼントしてくれる。至福のひとときとはこのような名曲をリスナーの一人一人が自らの楽しい思い出や苦い経験を重ね合わせながら聴く瞬間なのかもしれない。

<私は今 ブラインドつきの窓と
折りたたみ式の流し台のある 寝台の中にいます
大きな岩や サボテンが通り過ぎていく
ドイツ・ワインも用意して ガタンゴトン 音に揺られ
雲と星を見つめる私 期待に胸を膨らませ
あなたとの思い出が 消え去って行くのを見つめる私
私を狂わす嫉妬深い愛
愛を失い 私自身も見失ってしまった
あなたを失ったから・・・> Just Like This Train


わたしの愛を受け止めてくれる人が現れるなら
わたしは献身的に愛を捧げるでしょう
そんなふうにいつも考えていました
愛がすべてを生み出す源だから
冒険も日常の戦いも探求も自由も
わたしの胸に愛しい人への愛が灯っていればこそ
悲しみや怒りも不思議な命の浄化で楽しみや笑いに変わる
涙は濾過のようなもの
不純物を取り去って素直なわたしにしてくれる
祈っています!
わたしの前に立つあなたの愛が真実であることを
わたしにふさわしい愛であることを
愛の家を作るために
土を固め木を集めて働くことを厭わないのです
わたしは試練に拮抗する勇気も強さも持っている






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Otis Redding
声は神秘だ。
声は人を励まして悲しみを取り去り、人を欺いて悲しみを与える。
愛と喜びをその音色に内包し、怒りと叫びは矢のように飛ぶ。
真実の声は聞く人に命の浄化をうながす。


魂からの叫び
それはそう簡単に聞けるものではない。


Otis Redding
“Otis Blue” 1965



1. Ole Man Trouble
2. Respect
3. Change Is Gonna Come
4. Down in the Valley
5. I've Been Loving You Too Long
6. Shake
7. My Girl
8. Wonderful World
9. Rock Me Baby
10. (I Can't Get No) Satisfaction
11. You Don't Miss Your Water

26年(1941〜1967)の奇跡。そのあまりにも短い生涯は神を恨んで余りある。
キング・オブ・ソウル。
魂の伝導者はソウル・ミュージックの完成型を示し、搾り出す声は神々しいまでも人間の強さ、悲しみ、祈りまでも凝縮し頭を垂れずにいられない。






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Waltz For Debby
「ジャズはほとんど聴かない、無知に等しい」と考えたとき、知識がなければジャズは聴けないのか?とふっと思ったりする。
初心者にとってジャズの入口の扉は重い。
ジャズの案内書や専門誌の小難しい記事もおもしろいと思って読んだこともない。
それに新しいCDが発売されるとほとんど決まりきって「最高傑作」「名盤」なる文字が躍っているのである。
音楽の分野でこれほど最高傑作や名盤が存在するのもめずらしい。ジャズ特有と言ってもよい。

そんな風にジャズに偏見?を持っているわたくしが、この間ツタヤに行ったとき
Coldplay や Weezer の新作を振り切って買ったジャズのCD。

“Waltz For Debby” 2003 <1964/ストックホルムにて録音>


1. Come Rain or Come Shine
2. Beautiful Rose (Jag Vet en Dejlig Rosa)
3. Once Upon a Summertime
4. So Long Big Time
5. Waltz for Debby (Monica Vals)
6. Lucky to Be Me
7. Sorrow Wind (Vindarna Sucka)
8. It Could Happen to You
9. Some Other Time
10. In the Night (Om Natten)

<Personnel>
Monica Zetterlund ( vo )
Bill Evans ( p )
Chuck Israel ( b )
Larry Bunker ( ds )

音楽は聴くものだから、まず何の先入感なしに聴いてみる。
入門としてはインストゥルメンタルよりヴォーカルが良い。
ビル・エヴァンス・・・名前だけは知っている。
ピアノの名手であることも。
ピアノは好きだから違和感はない。

一度聴いて「何、これ?」と思っても諦めてはいけない。
耳が慣れていないせいなのだ。
何度か繰り返し聴いてみる。
そして1週間おいて、また聴いてみる。
少しずつ耳が慣れてモニカの女らしい表情やシックで豊かな歌唱が目に見えてくるように浮かび上がってくる。
「これって静かな BAR で聴くには最高なんじゃないかしら?」 って気持ちになってくるから不思議

次はフランク・シナトラにしようっと





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