2089

The future 80 years later

<ゼロ・ジェネレーションのアンセム>


革命の夢を捨てるな。
正義の実現に躊躇するな。
勇気がすべてだ。
富を求めるな。
自己を鍛えよ。


青春の危うさは細いタイトロープを渡るに似ている。
バランスと強い意志が未来の扉を開ける。


ruka-007.jpg
≪Ruka Project≫
詩とロックのブログ


[2089年7月2日 Sat]<15>


調布インターまで直線で3キロ。わずかな距離は5分もかからないだろう。鶴川街道に出た。1台も車が走っていなかった。後ろに黒のセダンがついて来る。その後ろにパトライトを乗せた覆面パトカーと思われる車。
この静けさは一体どういうことなのだとダニーは不安を感じた。右折も左折道路もパトカーが封鎖している。涼子が言った通りになっている。警察はインターへ誘導しているように感じられた。罠にはまったと思った。だがもう手遅れだ。

黒のセダンには2人の男が乗っていた。助手席には坊主頭の日焼けしたような黒い肌の男。運転席にはスリムな体格の表情に乏しいサングラスを掛けた男。坊主頭は彼を<B>と呼んでいた。半年前始めて会ったとき、Bと名乗り、自己紹介したのだった。ささくれ立ったアルビノのような異常に白い肌には触れたくなかった。常にサングラスを掛けて、彼の目を正面からは見たことがない。無口で何を考えているかわからない。不気味な冷静さだった。しかし仕事をするときの彼ほど頼りになる相棒はいなかった。銃の扱いも車の運転も行動も正確で無駄がなかった。

そのBが自分から口を開いた。
「死ぬ覚悟はあるか?高速に乗ったら逃走は無理だ。警察もバカではない」

抑揚のない破れたスピーカーのようなガラガラした声は聞きづらかった。
「女を殺ったら、高速から飛び降りて走って逃げる。逃げ切れないと思うが」
白く透明な肌が僅かにピンクに染まった。

入口ゲートに障害はなかった。こうなることを涼子は予想していたのだろうか?とダニーは思った。
新宿方面はパトカーと警備ロボットで封鎖されていた。200キロ近いスピードで通過した車は10台余り。調布インターゲートは再び封鎖された。

宮地は鶴川街道手前で警察に停められた。サブマシンガンで装備した警察官が睨むような目付きで「ここまでだ」と言った。
宮地は一つの情報を入手していた。信頼性はないも同然の闇情報だったが、気にかかるものだった。スカイポリスがコントロール不能の状態だという。出所はわからなかったが警察関係者であることは想像がつく。

スピードでは勝っていた。重い黒のセダンを引き離し、府中インターを過ぎて数キロの地点、頭上をミサイルが飛んだ。黒のセダンから発射されたミサイルは、十数台のパトカーで封鎖された八王子インターを攻撃した。さらにマシンガンが連射され、100m程の距離にある目標の車に命中した。

200キロのスピードの車は、銃弾を浴びた衝撃で動揺した。濡れた路面でスリップし、道路の壁面に衝突。反動で反対壁面に衝突。加速された勢いはさらに、車をコマのように回転させて停止した。
Bにしては珍しくニヒルな笑いで顔を歪め「女の顔を拝めるぜ」と呟いた。

割れたフロントガラスから雨と風が入ってきた。涼子は前の2人を見た。スキンヘッドはハンドルに覆い被さるように動かなかった。ダニーは呻き声をあげながらシートにもたれ掛かっていた。
涼子はドアーを蹴って外に立った。膝に痛みが走った。

黒のセダンは50m手前で停止した。2人の男は女が出て来るのを見ていた。女は片足を引きずるように数歩歩き、立ち止まった。そして真直ぐこちらを見ていた。
美しい女だと坊主頭は思った。だが殺らねばならない。後ろから手を伸ばしサブマシンガンを掴んで外に出た。アルビノも胸のホルダーから拳銃を握り外に出た。

男2人が外に出たことを見計らったように暗い空から銃弾が降ってきた。スカイポリスの強力な25ミリ弾は車を的確に標的として捉え連射し破壊した。爆音とともに破片が四方に飛び散り、2人は空に敵がいることを始めて知った。



Nightwish<Moondance>



Nightwish<End Of All Hope>


<<Final Fantasy>>

ffn-002.jpg

ffn-003.jpg

このようなビジュアルを言葉で表現あるいは描写するのは極めて難しい。


コラム<5>薔薇


≪薔薇のある暮らし≫



IMG_0609-1.jpg IMG_0276-1.jpg
IMG_0309-2.jpg IMG_0656-1.jpg
IMG_0310-2.jpg IMG_0291-1.jpg


おやすみなさい
あなたの夢を見ます

あなたを愛したことに悔いはありません
あなたとともに歩む人生に喜びを感じます

あなたはわたしの太陽です
わたしはあなたの光です

あなたは冠を被った王です
わたしは妃です
絆は不滅の証です

あなたは大気です
わたしは風です

あなたは雲です
わたしは恵みの雨です

あなたは海です
わたしは波です

あなたは船です
わたしは港です

あなたは大樹です
わたしは花です

わたしは信じています
神とともに
偽りのない愛を信じています
いつまでも
あなたとともにあることを
信じています

by Ruka





Carpenters<I Need to Be in Love>



私の人生でいちばん難しいのは 信じ続けること
この狂った世界のどこかに 私を愛してくれる人がきっといると
はかない人生を 人々は行き来するばかりで
私にチャンスが来ても 気づかずにいるかもしれない

”約束なんかいやよ、シンプルな関係でいましょう”
なんてよく言ったものだと
自由は あなたからの「さようなら」を早めただけ
少し時間はかかったけど
簡単に物事が行かないことを学んだわ
私には充分すぎる代償を支払って

そうね、私は恋をするべきだわ
そうね、私は時間を無駄にしすぎたわ
そうよ、私は不完全な世界に完璧を求めている
そして、馬鹿なことに それが見つかるとおもっているの

そんな私のポケットの中は 夢や希望で一杯だけれど
今夜は何ひとつ 私を慰めてくれそうもない
朝の4時だと言うのに 目は冴えるばかり
一人として友達の姿もなく
希望にすがりついているだけの私

でも 私は大丈夫よ.....


愛を求め、歌のように真実の安らぎにたどり着けなかったカレン。
あなたを想うと涙が出てきます。
カレン!わたしはあなたの悲しみを一日も忘れないでしょう。
豊かなアルトが心を満たし、慰めてくれるでしょう。
<http://www.richardandkarencarpenter.com/>



[2089年7月2日 Sat]<14>


ダニーは時々振り返った。涼子は倒れたままだ。怪我をしたのかもしれない。だが介抱している余裕はなかった。時折ファルコンから銃弾を浴びせられた。防弾仕様の厚い鉄板でももたない。時間の問題だと焦ったが、どうすればいいのか、逃げ切れそうにない。今までも危ない場面はあったが、きょうは最高に最悪だ。しかし容赦がないと思った。プロの殺し屋に手加減はない。

ファルコンがさらにスピードを上げて、狭い路上で並走した。時速150キロ。思いっきり左にハンドルを切って激しくすり寄ってくる。2台の車の間から火花が散る。レースをしているような錯覚に襲われたが、並走しながらファルコンは左ウインドウを下げた。笑いを浮かべた男が右手で自分の首を切った。<殺す>という意味らしい。
そのときだった。30m程の前方の信号が赤に変わり、左方向から10トントラックがゆっくりと塞ぐように交差点に進入した。

右側を走るファルコンは避けきれず、トラックの後部に勢いよく衝突した。
ファルコンのボンネットが飛んだ。
むき出しになったエンジンルームから透明のガスが噴出し引火した。
小さな核爆発のような閃光が走る。1000℃以上の熱線がビルのモルタルの表面を溶かし、窓ガラスを粉々に破壊した。そして爆風がすべてを吹き飛ばした。昼のような明るさが数秒の間に収束すると交差点のあらゆるものが火に包まれた。ファルコンは大爆発とともに原型をとどめることなく破片と化し飛び散る。水素の激しい燃焼反応は、キノコ雲を暗闇の空へと運んだ。

「ざまぁ〜みやがれ」
スキンヘッドが頬をひきつらせて笑った。
「ダニー、まだ装甲車のような強敵がいる。どうする?警察もすぐ集まってくる」
ダニーは決断ができなかった。

後ろから声が聞こえた。
「ダニー、調布インターから高速に入りなさい」
ダニーが振り返ると涼子が起き上がり見ていた。
「高速にのりなさい」
同じ言葉を繰り返した。
「涼子、大丈夫か?」
「大丈夫!」
「高速は通行止めだ」
スキンヘッドが後を継いで言った。
「入口ゲートには20センチの太い鉄柱が50センチ間隔で鋭角に槍のようにセットされている。飛び越えない限り突破できない。それに巨大な警備ロボットが道路を塞いでる」
「わかってるわ。大丈夫、行きなさい」
確信に満ちた言葉に揺るぎがない。
「勝算があるのか?」
「勝算?わたしはこれ以上誰も傷つけたくないだけよ!」
強い口調で言った。

同じ涼子でないような気がした。落ち着き、反論できない自信が見られた。
信じられないが、1時間程前、新宿で会った涼子が短時間のうちに別人のように人格が変化したというのだろうか?そんなことが有り得るだろうか?有り得ない!
ダニーは自分の心のなかに静かな変化が起きていることに、まだ気づかないでいた。
「高速に入ればもう逃げ場はない」
スキンヘッドが腹立たしそうに言った。


調布駅から南500mの交差点で大爆発があったことをセンター無線は告げた。
凄まじい惨状だ。許せないと沢村は思った。
上石原、下石原、調布ヶ丘のすべての道路を封鎖した。袋のネズミとはこのことだ。もうどこにも逃げられない。調布一帯に集結している警察車両は60台を越えている。

センターからのホットラインが不可解なことを告げた。
「中隊長!スカイポリスが高速の調布ゲートを開けろと指示してきています」
「指示?」
「はいッ。強いコマンドと解釈しました。なぜか理解に苦しむところです」
「幸い通行止めだ。一般車はいない。追い込んで挟み撃ちという作戦だな。でもおかしくないか?」
「なぜなんでしょう?要求しないのにコマンドを出すとは、こんなことは今まで一度もありません」

作戦としては合理的だ。逃げ場がないところに追い詰めれば犠牲も最小限にできる。しかしどこかに腑に落ちないものを感じた。それが何なのか、はっきりとはわからなかった。




ABBA<5>S.O.S



[2089年7月2日 Sat]<13>


沢村が現場に到着したのは、15分後のことだった。現場から1キロ手前から渋滞しストップ。歩道に乗り上げ、野次馬を強制的に排除しながらなんとか現場に到着した。想像を越えた惨状だった。すでにパトカーが何台かいた。一人の警察官に近づき身分を名乗った。センターから事前に入った情報を裏付ける警察官の証言だった。ミサイルとマシンガンの発砲。事件の原因となった3台の車は調布方面へ逃走している模様。

沢村はセンターに警察無線で連絡を入れた。
「小隊長、スカイポリスは今どこだ?」
「すでに調布からつつじヶ丘方面にかけスキャン。今、問題の車と思われる3台、位置を確認しました。今から中隊長に送信します」
「事故の概要もだ」
高度情報モニターGPSに3点の赤の点滅、現在位置は国領町付近。さらに20号線からの推測されるディスタンスが示されていた。
「正確なものではありませんが、BTA(ビギニング・トラフィック・アクシデント)の20号線では事故車両30台以上、死者3名、怪我人50名以上。さらにモニターにインディケートの道程に多数の事故車両あり。炎上している車両が5台。未確認ですが、死者2名の情報を警察無線から傍受しました」
沢村は車を調布方面に向け、アクセルを踏んだ。
「隊長に許可の連絡をとる。サブマシンガンの携行を許す。装備は万全を期せ。出動人員は何名ぐらいになりそうだ?」
「第1、第2中隊から50名前後、特殊車両部隊20名、順次出動開始しました。総台数30台以上」
「よし、調布方面に集結。フォーキャスト道路を封鎖。絶対に止めるんだ。逃がすな」
「了解!」

ミサイルと銃器の使用。しかも幹線道路で。凶悪な犯人像が想像される。ややあって、隊長から連絡があった。
「沢村、第8方面本部長が総指揮を執ることとなった。その指揮下に入れ。現場機動隊の指揮はお前に任す。状況を把握し暫時報告を入れろ!センターとのホットラインだ。これは重大な事件と推量する」
やや一呼吸おいて続けた。
「沢村、無理するな。命を大事にしろ」
現場からの叩き上げの猛者、経験豊富な隊長の声は太く熱く耳を圧した。
代わって小隊長が落ち着いた声で話を続けた。
「TVの6チャンネルを見て下さい」
ディスプレーのフルHDには分割された2画面が映し出され、バラエティー番組と事故現場の様子がライブに放送されていた。
「中隊長、3台の後方100mにもう1台、3台を追尾している車両がいます。TV局のワンボックス。事故をライブ放送しています。注意して下さい」

一番前を走る車を2台の車が追っている。確認された車両ナンバーは、3台とも偽造と判明した。追う方も追われる方も真っ当な奴等ではない。沢村は鳥肌が立ち、体が震えた。闘志が血走った目に現れていた。
沢村はハンドルを握る自分の手が小刻みに震えているのが腹立たしかった。




ABBA<4>When All Is Said And Done


[2089年7月2日 Sat]<12>


(6)

ダニーは焦っていた。逃げ切ることは困難なように感じた。
目の前を歩行者が横切ろうとしていた。100キロ以上で暴走する車に気づき、歩行者は驚きと恐怖の顔色で立ち止まっていた。ダニーが避けられないと観念したときだった。道路中央に青い光のボールのような球体が現れ、車を空中に飛び上げたのである。車は歩行者の頭上を越えて着地した。
「何だ。今のは、一体?」
スキンヘッドを見るとこめかみ辺りから血を滴らせている。

車の全方位をモニタリングするディスプレーは、後続の2台の車も飛ぶように歩行者を越える姿をシャープに写し出す。
ダニーは後ろを振り返り言葉を失った。涼子はシートに倒れ、整った無表情の顔が死人のように青かったからである。青い光はやがて全身を包んだ。さっき見た青い光の球と同じ輝きだった。
早瀬がなぜわが子以上に、孫である自分以上に、涼子を気遣っているのか、そのシークレットな言動の一端を知ったような気がした。よくわからないが、あの青い球体は涼子に関係があるに違いない。
早瀬が言っていた。涼子を絶対に傷つけてはならないと。そして護れと言っていた言葉をダニーは思い出していた。


宮地は3台の車を追っていた。興奮が大量のアドレナリンを血液中にぶち込む。これは事件だと確信した。宮地はすぐ映像を局にトランスミット。衛星回線なら赤坂にある局アンテナが受信するまで5秒とかからないだろう。

宮地から送信されてきた映像に、保守的な報道姿勢を堅持しているTV局制作フロアーも、その圧倒的な臨場感に色めき立った。リアルな事件現場ニュースは2、3度のテロップを入れた後、夜のゴールデンタイムに緊急報道として流されたのだ。報道局次長は宮地に喝を入れ、社長賞も手に入れたも同然だと励ました。
今朝からのハード・スケジュールで心身の疲れがピークを迎えていたのに、今はどこかに吹っ飛んでいた。宮地はマスコミの一翼を担う報道者の正義感と、とんでもないチャンスに巡り合えたという野心に燃えた。
「とにかく追え!カメラを回せ!3台のナンバープレートを撮れ」
残念なことにスモークガラスのために車内の人物まではわからなかった。




ABBA<3>I Do I Do I Do I Do I Do



 | HOME |  »

FC2 Counter

ご訪問ありがとうございます

Profile

<<Ruka Soldier>>

ruka-soldier.jpg
詩とロックが好きな25才
リンクフリー



Blackmore's Night
<Wish you were here>


Rednex
<Hold me for a while>


Britney Spears
<Womanizer>

Blog Ranking

あなたの優しい愛で
One Click をお願いします。

ブログランキング・にほんブログ村へ

にほんブログ村 小説ブログ SF小説へ

にほんブログ村 小説ブログ 長編小説へ

b_04.gif

Category

Entry

Comment

Track Back

Link

Archive

iTunes

Sleipnir & Lunascape5

Azusa's HP

azusa1.gif

イラスト、素材配布のHP
再配布禁止です